
PRO PIANIST / OTTO PIANO SCHOOL
プロピアニスト菊地沙織さんから、
はじめて電子ピアノを始める方へ
プロピアニストとして数々の舞台に立ち、繊細さと溢れんばかりの情念を同居させた演奏で多くのピアノファンを魅了し続ける菊地沙織さん。 さらにotto Piano Schoolでは主任講師として多くの生徒と向き合い、ottoのYouTubeでもおなじみの存在です。 そんな菊地さんが、アコースティックピアノと電子ピアノの両方に触れてきた実感をもとに、 「これから初めて電子ピアノを始めようかな」と考えている方へ、率直な言葉でメッセージを届けます。
最初に、菊地さんの結論だけ先にお伝えします
電子ピアノは、アコースティックの代用品ではなく、暮らしの中でピアノを続けるための前向きな選択肢です。 そして大切なのは、価格だけで選ぶのではなく、「どんな音楽を弾きたいか」「どんな暮らしの中で使うか」に合わせて選ぶことです。
こんな方におすすめ
夜間や早朝にも練習したい方。
住環境の都合でアコースティックが難しい方。
それでも、できるだけ自然なタッチと音でしっかり弾きたい方。
選ぶときのポイント
価格だけでなく、クラシック中心なのか、レッスン用か、趣味として楽しみたいのか、 あるいは録音やアレンジにも使いたいのかを最初に整理すると、 自分に合う一台が見つかりやすくなります。
迷ったら
「何を弾きたいか」「どこに置くか」「どの時間帯に弾くか」「予算はどのくらいか」。 この4つをお店で伝えるだけでも、選び方はかなり変わります。
PROFILE
菊地沙織
ソリスト、アンサンブルピアニストとして活動しながら、長年にわたり後進の指導にも携わるプロピアニスト。 演奏家としての実感と、指導者としての視点の両方を持つからこそ、電子ピアノ選びにも言葉の重みがあります。
住環境が変わっても、ピアノを続けるために
アコースティックピアノが住環境の中でなぜ置きにくいかというと、特に都市部では住宅が密集していて、 完全防音にしないとなかなか置けないことが多いからです。 あるいは、ご近所の理解や、建物の条件、部屋の広さなど、本当にいろいろな条件がそろわないと難しい。 ピアノを弾く側からすると当たり前のように感じていても、実際にはかなりハードルが高いことなんですよね。
音楽をやっている人間たちは、それでもやっぱり置かなきゃいけない現実があるので、 音楽物件のような専門の住まいを選ぶこともあります。 でもそういう環境は、やはり家賃も高くなりますし、誰にとっても簡単な選択ではありません。
さらに、仮に置けたとしても、音を出せる時間が限られているという問題があります。 夜間や早朝に弾きたい、あるいは弾かねばならない場面は意外と多いのに、 そこではアコースティックだけでは対応できない。 そういうときに、私にとって電子ピアノは、本当に“キラ星のように現れた存在”でした。
今では、アコースティックピアノと電子ピアノの二刀流が自然な形になっています。 どちらかを否定するのではなく、それぞれの役割をきちんと分けて使うことで、 音楽との距離がむしろ豊かになったと感じています。
自宅では、暮らしに馴染みながらちゃんと弾けることが大切です
私自身のプライベート空間では、電子ピアノは比較的早い段階から生活の中に入っていました。 しかもそれは、ただ“音を小さくするため”だけではなく、作曲やアレンジで使うMIDI鍵盤としての役割もあります。 そういう用途で使うときも、ピアノらしく弾きやすい、ナチュラルな鍵盤であることがとても重要です。
音源制作をするときに、普段アコースティックを弾いている感覚から離れすぎた鍵盤だと、 アイデアが出にくくなったり、作業そのものがストレスになったりします。 だから電子ピアノにも、ただ機能だけではなく、 「ちゃんと弾けること」「ピアノとして自然であること」が必要なんです。
自宅では、カシオのPriviaシリーズのような、コンパクトで置きやすく、コストパフォーマンスに優れたタイプを使ってきました。 このシリーズの魅力は、生活動線を邪魔しにくいこと、部屋の印象を重くしすぎないこと、 そして“気持ち軽くピアノに向かえる”ことにあると思います。
最初は弾かないときは横にずらすかな、と思っていたんですけれど、 本当にコンパクトなので、そのまま設置した状態でずっと生活の中にいてくれています。 これは、初めての一台を選ぶ方にとってかなり大きなポイントです。 毎日向き合う楽器だからこそ、「部屋の中で無理なく共存できるか」はとても大切です。
さらに、電子ピアノ専門店に携わる立場からひとつお伝えしたいのは、ホコリ対策です。 生活空間には洋服の繊維や油分など、さまざまなものが空気中にあって、 それが鍵盤の中に入って故障の原因になることがあります。 蓋のないモデルなら、軽く布をかけるだけでも違います。 小さなことですが、長く使うためには本当に大切です。
電子ピアノは、想像以上に“アコースティックへ近づこうとしている”世界です
ottoと関わるようになってから、私は電子ピアノを本当に深く知ることになりました。 その中で強く感じたのは、各メーカーが「電子でどこまでアコースティックに近づけるか」を 真剣に研究しているということです。 それは単に音色の話だけではなく、タッチ感、響き方、操作性、そして暮らしの中での存在感まで含んだ話なんですよね。
アコースティックを置きたいけれど置けない。 それでもできるだけ自然に、できるだけ深くピアノと付き合いたい。 そういう思いに応えようとしているのが今の電子ピアノで、 そこに私はとても大きな進化と誠実さを感じています。
個人的には、もともとピアノに過度なデザイン性を求めるほうではなかったのですが、 今の電子ピアノは“生活のアイテムとしての美しさ”にもかなり応えています。 そうした意味でも、初めての方が無理なく生活の中に迎え入れられる楽器になっていると思います。
MODEL 01
KAWAI CA901
私はアコースティックではずっとカワイのピアノを使い続けてきたので、 「カワイ推し」と思われることもあります。 もちろんカワイのピアノは素晴らしいと思っていますが、 だからといってカワイしか見ていないわけではありません。 そのうえで言うなら、CA901はカワイの中でも本当にトップオブトップだと感じます。
とくに響板のシステムは象徴的で、単なる“作られた響き”ではなく、 楽器を鳴らして響かせていくような、よりアコースティック的な考え方が強く出ているモデルです。 そこに、カワイのものづくりの姿勢がすごく表れていると思います。
音源そのものも、カワイユーザーの私が「ああ、カワイの音だな」と感じるくらい、 低音の鐘のような響きから高音の表情までよく作り込まれています。 高音は輝きがありながらもトゲトゲしくなく、温かみがある。 弾いていて、電子ピアノを弾いている感覚にあまりならないというのは、 かなり大きな魅力だと思います。
MOVIE
MODEL 02
KAWAI CA701
CA701もまた、非常に魅力的なモデルです。 901が響板によってよりディープな響きを持っているのに対して、 701は少しコンパクトで、より粒立ちの良い、クリアな音の印象があります。
だから、単純に「上位か下位か」という話ではないんですよね。 もちろん901は最上位モデルとして素晴らしいですし、 その良さははっきりあります。 でも701のすっきりした見通しの良さや、まとまりのある音の美しさを好む方もきっと多いと思います。
さらに、コントロールパネルがとてもわかりやすく、 スマートフォンのような感覚で操作できるところも魅力です。 「電子ピアノの音色選びって難しそう」と感じる方でも、 機械的なストレスをあまり感じずに機能を楽しめる一台だと思います。
MODEL 03
KORG C1 Air
いろいろな電子ピアノに触るようになって、 「いちばん驚いたピアノ」と言ってもいいくらい印象的だったのが、KORG C1 Airです。 理由はとてもはっきりしていて、この価格帯でこのサウンド、このタッチ感なのか、という驚きがあったからです。
もちろん、もっと予算をかければさらに上のモデルはあります。 でも、これから真面目にピアノを始めたい、レッスンにも通うかもしれない、 だけど最初からあまりに大きな投資は難しい、という方にとって、 C1 Airは本当におすすめしやすいモデルです。
コンパクトなのに音がこもらず、抜けのよい音がすること。 イヤホンで聴いたときの音源のテクスチャーが自然で、違和感のないピアノ音であること。 そしてタッチが比較的しっかりしていて、軽すぎないこと。 こうした点が全部そろっているのは、とても大きいです。
レッスン先や本番ではグランドピアノを弾く、という方にとって、 家での練習環境との差が出にくいことは本当に大事です。 その意味でもC1 Airは、価格以上に“ちゃんとピアノに向き合える一台”だと感じています。
さらに、コントロールパネルが見やすくて、 どの音色を選んでいるかがぱっとわかるのもいいところです。 すっきりしていて、住環境の中に違和感なく入ってくれるという点でも、 初めての方にとってとても現実的な魅力があります。
MOVIE
MODEL 04
YAMAHA CP88
逆にステージピアノという視点で言うと、 ottoをきっかけに電子ピアノでの本番の機会が増えていく中で、 私自身が選ぶ回数の多かったモデルのひとつがCP88です。
ハイブリッド鍵盤によるタッチ感の良さはもちろんですが、 私が大きいと思っているのは“見られ方”まで含めたデザインです。 アコースティックピアノは右側から見られることが多いですが、 ステージピアノはお客様に正対する形になるので、楽器そのものがよく見えます。 そうなると、音だけでなく、見た目の整理された美しさも大切になってくるんですよね。
その点、CP88はごちゃついた印象が少なく、丸みがあって、すっきりしている。 そして音源も使いやすい音色がそろっていて、操作が直感的です。 本番前の不安があるときに、変に機械が前に出てこないというのは、 演奏する側にとってかなり助かることです。
実際、アコースティック中心のピアニストの知人が、 現場にCP88が置いてあると聞いて不安になったとき、 事前にottoのYouTubeを見てくれて、 「こういう音が出るんだ」「こういうタッチなんだ」とイメージを持てたことで、 安心して本番に臨めたと話してくれたことがありました。
そのとき、ottoのYouTubeは単なる紹介ではなく、 実際に演奏家の不安を減らす役割も果たしているんだと強く感じました。 CP88は、クラシック寄りのピアニストにとっても、 思っている以上に相性のいい一台だと思っています。
MOVIE 01
MOVIE 02
「電子ピアノだから仕方ない」ではなく、電子ピアノだからできる表現へ
本番やアンサンブルの現場では、今でも 「ピアノが置けないから、仕方なく電子ピアノで」というケースは少なくありません。 でも私は、その言い方だけで終わらせたくないと思っています。 電子ピアノでも、機種選びやサウンドデザイン、スピーカーの置き方、返しの作り方などをきちんと考えれば、 奏者にとって気持ちよく、聴く側にとっても魅力的な音楽にすることは十分にできます。
逆に言えば、そこをきちんと整えないままだと、 「やっぱり電子ピアノってだめなんだよね」という印象につながってしまうこともあります。 だからこそ、電子ピアノをどう使うかは、これからますます大事なテーマになっていくと思っています。
ottoやオタイオーディオが関わる現場では、 電子ピアノを“仕方なく使う”のではなく、 “電子ピアノであることを肯定できる形で使う”ことを大切にしていると感じています。 それは単に機材の話ではなく、演奏家がどう気持ちよく音楽に入れるかという話なんですよね。
桜井万祐子さんとの共演のように、声と電子ピアノが出会う現場でも、 そこを丁寧に整えていくことで、電子ピアノならではの表現はちゃんと成立する。 そういう実感があるからこそ、私はこの可能性を前向きに捉えています。
ENSEMBLE MOVIE
MODEL 05
KAWAI ES120
ES120について印象的だったのは、 電子ピアノはスペックだけではなく、 “どんな曲を、どんな編成で弾くか”との相性が本当に大切だということを 改めて感じさせてくれたことです。
クラリネットとのアンサンブルでは、 練習はアコースティックのグランドピアノで行い、本番はES120で録るという流れでした。 もちろん、共鳴の仕方の違いや、空間に広がる感覚の違いはあります。 でも演奏家は耳で判断しながら調整していくので、 条件がそろえばしっかり成立するんですよね。
とくに、そのときは曲とES120のサウンド、そしてカワイらしい音色感がうまく噛み合っていました。 もしもっとキラキラしすぎたり、薄く感じる音だったら、 クラリネットの温かみやドビュッシー的な響きは作りにくかったと思います。 つまり、電子ピアノ選びでは“何を弾きたいか”が本当に重要だということです。
初めての方も、クラシックを弾きたいのか、ポップスなのか、 ソロ中心なのか、アンサンブルもしたいのか。 そういうことを言葉にするだけで、選ぶ楽器はかなり変わってきます。
MOVIE
お店で相談するときに、ぜひ伝えてほしいこと
電子ピアノを選ぶとき、皆さんにぜひやってほしいのは、 「何を弾きたいか」「どういう音楽を目指しているか」を、できるだけそのままスタッフに話すことです。 クラシックを中心に弾きたいのか、ポップスや弾き語りもしたいのか、 発表会やレッスンを見据えているのか、自宅で趣味として楽しみたいのか。 そこが見えるだけで、提案の精度はかなり上がります。
さらに、 「夜しか練習できない」 「部屋を圧迫しないモデルがいい」 「できれば長く使いたい」 「予算はこのくらい」 といった現実的な条件も、遠慮せずに伝えていただいて大丈夫です。 電子ピアノは種類が多いからこそ、 そういう情報があるほど、その人に合った一台に近づきます。
なんとなく人気だから、なんとなく安いから、なんとなく見た目が好きだから、 もちろんそういう入口も悪くはないんですけれど、 長く付き合う楽器だからこそ、自分の音楽や暮らしに合う一台を選んでほしい。 そのために専門店があるのだと思っています。
迷ったまま決めなくて大丈夫です。
まずはottoにご相談ください。
電子ピアノは、見た目や価格だけでは決めきれない楽器です。 だからこそottoでは、はじめての方にもわかりやすく、 「あなたに合う一台」を一緒に整理しながらご案内しています。
レッスン用に失敗しにくいモデルが知りたい。
10万円台でちゃんと弾ける機種を選びたい。
部屋を圧迫しにくいモデルを探したい。
弾きたいジャンル、置く場所、弾く時間帯、予算。
この4つがわかるだけでも、
ご提案できる内容がかなり具体的になります。
菊地沙織 プロフィール
仙台市出身。武蔵野音楽大学器楽学科ピアノ専攻を卒業後、同大学大学院を修了。 2007年よりフランスに渡り、パリ・エコールノルマル音楽院にて演奏家課程を修了し、 室内楽も首席で修了しました。
帰国後は東京を拠点に、ソリスト、アンサンブルピアニストとして本格的に活動を開始。 海外オーケストラとの共演をはじめ、日本国内のみならず海外でも多数のコンサートに出演し、 声楽、弦楽器、管楽器との共演、録音、コンサートイベントなど幅広い現場で経験を重ねています。
指導者としては、フランス留学時よりキャリアをスタートし、15年以上の指導歴を持ちます。 秋葉原otto鍵盤専門店 / スクールでの指導のほか、さまざまな場で後進の育成に携わり、 演奏家としての視点と、教える立場としての視点の両方から、ピアノの魅力を伝え続けています。
はじめてだからこそ、
自分の暮らしと音楽に合う一台を。
電子ピアノは、ただ音が小さくできる楽器ではありません。 これからピアノを始める方、もう一度再開したい方、暮らしの中で無理なく音楽を続けたい方にとって、 未来の時間を支えてくれる大切な存在です。 アコースティックを知っているからこそわかること、電子ピアノだからこそできること、 その両方を踏まえた菊地沙織さんの言葉を手がかりに、ぜひご自身にぴったりの一台を見つけてみてください。
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