otto piano Concours vol.04 supported by Technics クィーン部門 (上級) 部門 / 審査員コメント

10名の審査員それぞれが選んだ、上位3名の講評です。
ファイナリストの皆様はもちろん、これからシューマン / 飛翔を練習しようと思っている方など、ぜひご参考くださいませ。


新垣 隆 / Takashi Niigaki

第1位 / 石井 亜季

曲の持つ迸る情熱とロマンを見事に表現されています。

第2位 / 渡辺 友美

コントロールの効いたピアノの美しさを充分に引き出した演奏と思います。

第3位 / 高松 優雅

ロマン派的感情表出の中にも冷静さを失わない説得力のある演奏と思います。

前田 祐里 / Yuri Maeda

第1位 / 高松  優雅

フレーズの終いの抜け、アゴーギクがとても美しかったです。
場面転換や山への運び方も巧みでしっかりと構成されています。
音のバランスもとても良くとても素直に音楽が入ってきました。
似た様なフレーズも巧みに変えて聴かせる工夫がされていて感心しました。
ですが急激なテンポの変化には注意が必要です。

第2位 / 渡辺  友美

歌い方がとても美しいですね。フレーズのまとめ方も美しいです。
リズム感と内声の16分音符をもう少しきっちり練習できるともっと素敵な演奏になると思います。

第3位 / Noppe

勢いがあり、しっかりと構成が見える素敵な演奏でした。
音楽づくりは素晴らしいのですが繋ぎの部分が少しヘヴィーに感じるのと、良い演奏故にミスタッチが勿体無いです。
全体的にもう少し間が欲しい部分がいくつかあります。

山本 有紗 / Arisa Yamamoto

第1位 / 高松 優雅

音色の豊かさに感動しました。
ミスも多少ありましたが曲への理解やセンスがとても素晴らしかったと思います。

第2位 / 渡辺 友美

ストーリーを感じるとても素敵な演奏でした。
柔らかな部分の和音の変化の感じ方がとても良かったです。

第3位 / 石井 亜季

とてもまとまった素晴らしい演奏でした。
フレーズを大きく捉え、様々な幅の抑揚があり良かったです。

ロー磨秀 / マシュー・ロー

第1位 / 渡辺 友美

場面の変化やセクションごとのキャラクター、全体を通した低音の響きなどとてもよかったです。
メリハリのある演奏でした。
ただ、場面の変化の意識は素晴らしいのですが、変わる場面でrit.などを毎回やりすぎるとそこで曲のエネルギーが停滞してしまいます。少し気になりました。
ルバートで音楽を止めすぎている箇所も幾つかありました。よい塩梅をみつけられるとベストです。
曲のど頭の入り方、アウフタクトをもう少し感じて。17小節〜のところ(後半で出てくる時も)停滞しすぎないように、重くはならず。

第2位 / 石井 亜季

全体を通して大きな構成力と、長めのフレーズで演奏を構成されていてとてもよかったです。
内声などの聴かせ方もよかった。
細部がもう少し詰めれるようになったらさらにグンとよくなる気がしました。 
弾き方なのですが、指だけを使わずに演奏出来ているのはとてもよいです。
少々脇線がバタバタしている印象だったので少し脇線をしめる意識があると良いかも。
74小節〜のscherzo部分、もう少し長いフレーズで作れたらよかった。全体の音楽の流れとてもよいです。

第3位 / Noppe

曲のもつエネルギッシュさが存分に伝わってくる演奏でした。
オクターブの弾き方も力みを逃せていて大変よいです。
全体を通して、エネルギッシュな部分との対比としてもう少し「ロマン」な要素が見えてもいいのかな、と思いました。
横に流れるセクションはさらにその意識があると。曲の持っている激しさはよく伝わってくるので、同時に曲の中の繊細な部分(和声のちょっとした陰りとか、瞬間的な弱みとか)にもフォーカスをあてる瞬間が増えるとさらにグンと説得力が何倍にも増す気がします。

福原 彰美 / Akimi Fukuhara

第1位 / 石井 亜季

構成力とリズム感が大変素晴らしい演奏でした。
セクションごとのテンポの移り変わりをとても自然にされていて素晴らしかったです。
情熱的なエネルギーも曲想に合っていました♪

第2位 / 渡辺 友美

とても音楽的で完成度の高い演奏でした♪内声部や低音部の対旋律を表情豊かに歌って弾いていらっしゃるのが素晴らしかったです。
ルバートも自然にされていらっしゃり、分析力・構成力の備わった演奏でした♪

第3位 / Noppe

華麗な演奏でした♪
テクニックが十分に備わっているので、タッチの工夫で、より様々な音色を習得されていかれたら更に良いと思います。
基本的に軽やかなタッチで弾かれていますが、重みのある音も加えていただくと、音色のパレットがさらに広がるかと思います♪

荒井幸太 / Kouta Arai

第1位 / 高松 優雅

激しさから優美さ、速い動きからゆったりした歌まで、情感の起伏を劇的に伝えてくれました。

第2位 / 渡辺 友美

各声部に注意が払われ、表情豊かで立体的な表現になっていたと思います。

第3位 / 石井 亜季

安定したテクニックで、力強く迫力のある演奏でした。

菊地 沙織 / Saori Kikuchi

第1位 / 渡辺 友美

表現の温度感や厚みが素晴らしかったです。
シューマンならではの多声的な部分もよく捉えて弾かれていたと思います。
ロマン派!ならではの演奏でした。

第2位 / 石井 亜季

様々な項目において、とても均整の取れた素敵な演奏でした。
欲を言えば、音の厚みや濃さ、温度感などもっと工夫されるとドイツ音楽らしさが出るかと思いました。

第3位 / Noppe

細かなパッセージやオクターブなどの難所も、とても的確にテクニックを用い演奏されていて素敵でした。

降旗 真理子 / Mariko Furuhata

第1位 / 渡辺 友美

起承転結が明確に伝わる構成力のある演奏でした。
また立体的な演奏(響かせ方)も各所で考えられて演奏されているのが伝わってきました。
再現部に戻る際の左手の低音8分音符パッセージが続くところですが、右手が主題のリズムモチーフを使って出てくるところが、もう少しテンポ感が合致するとより良いと思いました。

第2位 / 高松 優雅

冒頭の力強い主題のダイナミックさ、まるでオーケストラで演奏されているかのような音の広がり方からの、次に現れる軽やかな旋律への移行が大変見事でした。
全体的にどの部分をとっても、イメージされてる音楽が伝わってきました。
強いて言うならば、部分ごとでの速度表記の変化は記載されてないと思うのでBdurの部分とかは、もう少しテンポ速度を近づけた中で歌ってみるのも良いかもしれません。

第3位 / 石井 亜季 (※同率)

力強い飛翔を感じさせるテンポ感で、聴いていてとてもワクワクするダイナミックな演奏でした。

とてもよく弾けているので、要所で内声や早いパッセージがよろけてる?弾き飛ばしてる?部分が惜しかったです。
旋律で弾きたいニュアンスのテンポ感と、内声のテンポ感が異なるような感じです。

第3位 / 後藤 順子 (※同率)

しっかりとしたタッチで力強い演奏でした。曲の流れも特徴を捉えて弾けていたと思います。
旋律以外の内声の表現方法を研究してみると、さらに豊かな表現に繋がると感じました。

山藤 佳世 / Kayo Sandoh

第1位 / 渡辺 友美

華やかで構成も素晴らしく、フレーズも綺麗に歌えている素晴らしい演奏でした。
複数の声部部分の進行も素晴らしく、何度も聴きたい演奏でした。

第2位 / 高松 優雅

ロマン派らしく、表現豊かで歌い方がとても素晴らしく、惹き込まれる演奏でした。
場面の切り替え、音色の変化素晴らしかったです。

第3位 / Noppe

力強く、曲が持つ感情がものすごく伝わってくる素晴らしい演奏でした。
欲をお伝えさせていただくと、気持ちが揺れるような音の重みや、隙間などが加わると、更に素敵な演奏になると思います。

ikki

第1位 / 石井 亜季

圧巻の一言でした!
曲の情景が目の前に広がり、音楽で包み込まれるような表現力。
素晴らしかったです!!

第2位 / 渡辺 友美

技術も表現も素晴らしかったです!
早いパッセージもしっかり弾きこまれていてとても聴きやすかったです。

第3位 / 高松 優雅

安定した素晴らしい演奏でした!
技術面も素晴らしく、電子ピアノとは思えない表現力でした!