ちょっとottoのちょっとだけ音楽の話。「第九と日本の親密なつながり。」

オリンピックが終わりましたね!!

日本は沢山の感動とメダルを与えてくれました!
僕はめちゃくちゃ見たかったのですが基本的にあまりテレビが見れず・・・ニュースなどで事後報告ばかり見ていたのですが(笑)

閉会式にはDJ松永さん出てましたね!びっくり!僕の大好きな歌手のmiletさんも出ていて直接見ていませんが、見たかったなぁ~~~と後悔しております。

さて本当はこの内容の記事は年末に書こうと思っていたのですが閉会式の演出の一つにあったそうなのでせっかくなのでもう書いちゃおうと思いました!

というのも・・・・。

この記事書きたくてしょうがなかったんです!!

今や年末の風物詩ともなっておりますベートーヴェン「交響曲第9番」一般的に「第九」と言われるクラシック音楽界のトップオブザトップの名曲。どうしてここまで日本で親しまれるのでしょうか?

もちろんこの曲のテーマ性、メッセージ性、ブランド力。様々なことがありますが実はこの「第九」にはあまり知られていない「奇跡の初演」があったのです。

まず「第九」ってどんな曲?

古典派からロマン派にかけて活躍したクラシック音楽の巨匠、ドイツの作曲家ベートーヴェンが晩年に書いた4楽章からなる壮大な交響曲です。

古典派音楽の集大成ともされていて合唱を入れた4楽章は世界的に有名な曲ですよね。

当時すでにほとんど耳が聞こえていなかったベートーヴェンの苦悩も見事の表現されていて1時間を超える曲ですがあっという間に聴き入ってしまいます。

ちなみにこの曲自体の初演はベートーヴェンが耳が聞こえず指揮ができないので指揮者の隣で曲の指示を出すという形をとられました。
曲が終わった後大拍手が起こったのですがベートーヴェンはそれが聞こえず、落胆していたそうですがそれを見かねたアルト歌手のカロリーネ・ウンガーがベートーヴェンの手を取って聴衆の方を向かせ、初めて拍手を見ることができた、という逸話があります。

ちなみにベートーヴェンを崇拝していたブラームスという作曲家はこの曲を聴いて後10年交響曲が作れなかったと言われています。

それほど影響力のデカかった曲なのですね!

日本での奇跡の初演

時は第一次世界大戦!

徳島県の鳴門市に板東俘虜収容所というドイツ兵捕虜の収容所がありました。
現在はドイツ村公園として整備がされています。

日本で戦時中の「捕虜」と聞くとちょっと悪いイメージが出てきますよね。特に第二次世界大戦時には捕虜になることは恥とされ、捕虜になるくらいなら自決、という教えもされていました。

ちなみに映画「猿の惑星」は監督が実際に収容所にて日本軍からされた行いを表したもの、というのも有名な話でね。
自分たちが恥と思っている分敵には厳しくしてしまっていたという悪い歴史です。

板東俘虜収容所 には当時沢山のドイツ兵が捕虜となっておりましたが所長である松江豊寿は彼らを人道的な扱いを心がけ、さらには地元民との交流も行いました。

収容所の中で兵士がそれぞれ兵士になる前にやっていた仕事を生かせるように整備したり、ドイツの文化を地元に教える、ということも行っておりました。
後に「世界のどこに松江のような(素晴しい)俘虜収容所長がいただろうか」といわれるほどだったそうです。

第一次世界大戦終了とともに収容所は閉鎖となりましたがドイツ兵のみんなはどうにかこの感謝の気持ちを伝えたい!と思い「第九」の演奏を決めました。

しかし、気づいた方もいるとは思いますがまず兵士なので男しかいません。
歌の部分にはどうしても女性のソリストが必要となります。

また、楽器もさすがに足りません・・・。ファゴットなどの当時日本でも珍しかった楽器を用意することはさすがにできませんでした。

しかし音楽経験のあった兵士たちでこれら全てのパートの編曲を行い、オルガンで代用したり男でも歌えるようにしたりと自分たちで演奏できるように変えてしまったのです!!この執念凄いですよね!

そして実際に感謝と平和を願ってドイツ兵によって「第九」がこの時日本で初めて演奏がされたのです。

まさに「奇跡の演奏」国を超えた人々の想いが一つになった瞬間だったのです。

ちなみに冒頭であまり知られていない、といいましたがこの話は「バルトの楽園」という映画にもなっており、これで広く知られる話となりました。
俳優陣がかなり豪華です(笑)

男だけだったこと、楽器が完全でなかったことからこれを「初演」とするかどうかという議論はあるそうですがそんなのどうでもいいですよね!気持ちが大事です!

それも関係してか、日本では「第九」がより親しまれるようになりました。「歓喜の歌」という副題には「喜び」だけではなく日本独特の「感謝」も込められているのです。

是非皆様もどこか機会がありましたら・・・・といってもこの時期中々難しいとは思いますが・・・・。
圧巻のスケールの「第九」生で聴いてみてください!!