皆様こんにちは、ピアノ・鍵盤楽器専門店/スクール otto のRIOです。
今回はシューマン作曲のトロイメライをご紹介いたします。
Träumerei
トロイメライは「子供の情景」という曲集の中の1曲で、シューマンのピアノ曲で最もよく知られる1曲です。
この「子供の情景」は、妻クララからの「時々あなたは子供のように思えます」という手紙の余韻でかかれた30曲の小品から抜粋した12曲から構成される曲集で、同世代のピアニスト、作曲家であるフランツ・リストにも愛されたそうです。
シューマンは他に「子供のためのアルバム」や「子供のための3つのソナタ」など、子供向けの学習用曲を作っていますが、この「子供の情景」はシューマン曰く「子供心を描いた、大人のための作品」であるそうです。
それでは色々な演奏を聞いてみましょう。
1.フジコ・ヘミングの演奏です。
すごく切なさを感じる気がします。霧がかっているようでその中に淡い思い出のようなものが見えるようです。大変な苦労をしてきたフジコにできない音楽ですね。
2.牛田智大の演奏です。
色がはっきり見える、若いならではの演奏ですね。とても美しい音の中に無邪気さが見えるようです。
3.マルタ・アルゲリッチの演奏です。
楽譜に書かれていることがしっかり表されていることがよく分かる演奏だと言えますね。
実際曲を演奏するとき、表現が先走ってしまう人が多いのですが、大切なのは「まず楽譜に書かれていることをちゃんとできるようにする」ということがとても大切で、そのための取り組み方や、その先の表現というのが「個性」となりうるのだと思います。
4.ミッシャ・マイスキー(チェロ)の演奏です。
チェロならではの暖かさというのが、曲とベストマッチですね。
オレンジ色で夕焼けのように思います。
5.ウラディミール・ホロヴィッツの演奏です。
私が一番好きな演奏です。もはや言葉にするのは無粋ですね。是非一度聞いていただきたいです。
最後に
いかがでしたでしょうか。
今までご紹介してきた曲とは少し違う、人生でどんなことを経験してきたのかによって表現が変わる曲だったと思います。
特にホロヴィッツやフジコの演奏は、本当に名演だと思います。
まるで自分を映す鏡のような曲ですね。
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