皆様、こんにちは。
今回は管弦楽の魔術師と呼ばれたラヴェルについてお話していきます。
Maurice Ravel
モーリス・ラヴェル(1875〜1937)は、オーケストレーションの天才とも言われるフランスの作曲家です。
音楽好きだった父親の後押しで、1889年からパリ音楽院に通い、ピアノを現代作曲家のベリオに、作曲をフォーレに習いました。
パリ音楽院では先進的な芸術家と共に切磋琢磨し、在学中から20世紀を切り開く作曲家として活躍していきました。
ですが伝統的な音楽を好むものからは批判の的となり、今でこそオーケストレーションの天才と言われているものの、当時ではあまりに大胆で受け入れられなかったこともありました。
1914年から勃発した第一次世界大戦でトラック輸送兵として活動している際に、最愛の母が他界。
そこから作曲のペースが極端に落ち、3年間で2曲ほどでした。
1928年にはアメリカに渡り演奏旅行をし好評を博すとともに、現地の音楽や摩天楼に圧倒され、フランスに帰ってきてからの作曲に活かすことになります。
とはいえ、フランスに帰ってきてから作曲できたのはたった4曲でした。
というのもこのころ言語障害、記憶障害を患っており、なくなる直前には「頭には音楽が流れているのに、書き起こすことができない。」と泣きながら語ったそう。
治療もしましたが、その甲斐虚しく62歳でこの世をさります。
葬儀には、ミヨー、プーランク、ストラヴィンスキーらも参加したそうです。
ここでラヴェルの有名曲をご紹介いたします。
「ボレロ」
「水の戯れ」
ムソルグスキー/ラヴェル「展覧会の絵」
ラヴェルとピアノの関係性
ラヴェルのピアノ作品はまるでオーケストラ曲のような雰囲気があり、難易度も高いと言われます。
自分自身のピアノ作品をオーケストラ作品に編曲したものも少なくないのですが、どれも違和感がなくクラリネットをやっている私からすると、オーケストラ版のほうがいいのでは?とも思ってしまうほどです。
特に有名な曲としては、「クープランの墓」「夜のガスパール」「ソナチネ」「鏡」「亡き女王のためパヴァーヌ」が挙げられます。
どれも繊細な表現が施されており、まるで音が立体物のようにも感じます。
自身でも、モーツァルト、ワーグナー、サン=サーンス、ドビュッシー、グリーグなどのクラシック作曲家からを明言しているのに合わせて、パリ万国博覧会にて東洋の音楽、アメリカに渡った際に聞いたジャズの影響を多く受けています。
特に晩年に作られた「ピアノ協奏曲」では、古典的な協奏曲をモデルとし、バスクの民族音楽やジャズなどの鱗片が見られます。
最後に
いかがでしたでしょうか。
ラヴェルはピアノはもちろんいろいろな楽器のことを本当によく知っていたんだろうなと思います。
個人的には、モーツァルトと肩を並べる天才だなと思っています。
道化師の朝の歌や、ボレロ、展覧会の絵はいつかやってみたいなと思います!